先日、千葉県市原市田淵の養老川沿いにある『チバニアン』に行ってきました。
『チバニアン』とは、ラテン語で「千葉時代」を意味する単語で、地球上の約77万~12万6千年前の年代に対して、日本の地質学研究チームが命名を提唱しています。国立極地研究所や茨城大などのチームは、養老川沿いにある約77万年前の地層を「国際基準模式地」として申請しており、認定されれば地質年代に日本由来の名前が初めて付くことになります。
46億年の長い地球の歴史には、恐竜絶滅といった大きな変化がみられたところを境に、「ジュラ紀」や「白亜紀」などの時代区分がされています。これらの区分は地層と化石の研究から名付けられたもので、ジュラ紀はアンモナイトや爬虫類が栄え、大形恐竜や始祖鳥が出現した時代ですが、この時代の地層が発達しているフランス〜スイスに広がる「ジュラ山脈」から名付けられました。同様に白亜紀は、アンモナイト・恐竜などが大繁栄した時代で、イギリスとフランスの間のドーバー海峡地域のチョーク(白亜)を含む地層から命名されました。
このような「ジュラ紀」や「白亜紀」などの固有の名称で呼ばれる地層が、特徴的に分布する地域を「模式地」と呼びます。今回注目されているのは、模式地として千葉が選ばれるかどうかという点です。
市原市田淵の養老川沿いにある「千葉セクション」と呼ばれる地層。地質学上「更新世」と呼ばれる時代の前期と中期の境目で、地球の磁場のN極とS極が最後に逆転した重要な節目とされています。
地球では、過去に何度も磁場が逆転する現象が起こっていますが、逆転は一気に起こるわけではなく、逆転したり戻ったりと不安定な変化を経て安定するとされています。今回、「チバニアン」が国際地質科学連合で認定されれば、模式層断面となる箇所に「ゴールデンスパイク」が表示されるということです。
さて、説明が長くなりました。m(_ _)m
今回は車で現地へと向かいました。
駐車場には、パンフレットや地図などが設置されていました。
チバニアンへとまっすぐに伸びる道。何だか、わくわくしてきました。
駐車場から5分ほど歩くと、養老川に出ました。
左側の細い道を数十メートル歩くと、チバニアンに到着します。
この日は、水量が少なく歩きやすかったです。
ついに!到着しました!!
磁場がふらふらしていた時代もあったのですね。不思議な感じがします。
試料を採取したとみられる穴が、所々にあいています。
赤い杭の打ってある地層が、77万年前の磁場が逆転していた地層だそうです。
一見すると、何の変哲もない川沿いの山肌ですが、、、
46億年前に地球が誕生してから、様々なことが起こり現在に至っているのですね。
改めて地球、そして自然の凄さと有難さを感じた一日でした。
記:那須美樹