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『心和の家』セルローズファイバー吹込み施工を行いました。

現在、松戸市で工事を行っている『心和の家』で、断熱材『セルローズファイバー』の吹込み施工を行いました。

心和の家 セルロースファイバー吹込み施工

私たち日本人にとって、「かやぶき屋根」に代表される家づくりは自然と共に生きる知恵のカタチであり、その秘密は身近な天然素材の活用にありました。豊かな実りの後に残った『藁』という素材です。 その秘めたる力を利用し、厳しい寒・暑・湿から身を守っていたのです。その知恵を現代建築に生かしたのが、このセルローズファイバーを使った断熱工法です。

セルロースファイバー

セルローズファイバーとは、回収された新聞紙古紙を原料とした再生エコロジー断熱材です。これに麻とホウ酸を加えたものが、上の写真のような断熱材になります。

 

 

セルローズファイバーの特徴について、少し説明します。

 

・セルロースファイバーとは、新聞古紙を再利用してできた自然素材の断熱材です。セルロース繊維は植物性の繊維であり、人体に入るようなことがあっても蓄積されずにそのまま排出されます。

 

・セルローズファイバーの最大の特徴は、湿気を吸って吐くことです。新聞紙を原材料としているので、高い調湿性能があります。湿気が多い時には吸い、空気中に湿気が少なくなってきた吐き出す。この性能があるため、室内や壁内の結露を軽減させることができます。

 

・ホウ酸による防燃処理がしてあるので、もしもの火災でも材料は焦げるだけです。そして、ホウ酸は揮発性がないため人体には影響がありません。カビや菌の発育を阻止し、鼠、ゴキブリ、白アリなどの害虫も寄せ付けない防虫性能もあります。

 

・火災の時、グラスウール等は施工が隙間気味になっている為、燃えにくいという事はありません。石油化学系の断熱材の場合は、燃え広がれば一気に燃え上がってしまいます。特に石油化学系断熱材では、火災時に有毒ガスが発生し大変危険です。しかし、セルローズファイバーは隙間のない施工が可能なので、表面が炭化してそれ以上 酸素が供給されない為、燃え広がりません。また、有毒ガスの発生もありません。

 

・セルローズファイバーは、反発力のない綿状の繊維なので時間が経つと徐々に沈下をし上部に隙間が出来るという問題があります。この問題を解決するため『麻』の繊維を均一配合する事により、ファイバーの荷重を支え、沈下を防止させる事を可能にしました。すき間の多い木造住宅では難しい防音対策ですが、高密度施工により高い防音効果が得られます。

 

・もしもの雨漏りでも、撥水処理により水をはじくので早期発見が可能です。 水を吸って材料がダメになったり木部を腐らせるのを防ぎます。

 

・接着剤を使わない乾式吹込工法が可能です。高い断熱性能で消費エネルギーを少なくするので、光熱費も安上がりです。

 

 

以上。長くなりましたが、、、

セルローズファイバーが隙間なく充填されているか?厚みはあるのか?を調べるため、一部シートを剥がしてみました。

心和の家 セルロースファイバー吹込み施工

心和の家 セルロースファイバー吹込み施工

心和の家 セルロースファイバー吹込み施工

セルローズファイバーがコンセントボックスの端まできちんと充填されており、厚みも十分にありました。ホースで吹き込むだけなのに、すごい技術です。

この様子を、お施主様もご覧になり、とても安心したようです。。。(^▽^)。。

 

セルローズファイバーを使用した住宅は、安全で耐久性があり、環境にやさしい特徴があります。例えイニシャルコストがかかっても、 長い目で見れば非常に割安です。

記:那須美樹

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